マディ・ウォーターズ、リトル・ウォルター

生誕100年?102年?マディのブルースは永遠です MUDDY WATERS

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「More Real Folk Blues」MUDDY WATERS

本日4月4日は、マディ・ウォーターズ(本名マッキンリー・モーガンフィールド)の誕生日である。生まれた年は1913年説と1915年説があり(ウィキには両方の年が記されている)、もし後者が正しければ生誕100年となる。
ウィキよりマディの略歴を紹介する。


1915年、ミシシッピ州ローリング・フォークに生まれたマディは、クラークスデイル郊外ストーヴァルのプランテーションにて幼少期を過ごす。泥んこになって遊ぶのが大好きだったことから、マディ・ウォーターズ(泥水)とのニックネームで呼ばれるようになった。7歳でハーモニカを始め、のちにギターに転向。当時の彼のアイドルは、サン・ハウス、ロバート・ジョンソンらであった。 なお、1915年ローリング・フォーク生まれとされてきたが、近年の研究により1913年にミシシッピ州のアイザッキーナ・カウンティとするのが定説となっている。
1941年8月、国会図書館のフィールド・レコーディングのためにミシシッピ州を訪れたアラン・ローマックスが、ストーヴァルでウォーターズをレコーディングする。これが彼の初レコーディングとなった。1943年、イリノイ州シカゴに移住。1946年にはコロンビアへレコーディングを行っている。
1947年、サニーランド・スリムに誘われ、アリストクラット・レーベル(後のチェス・レコード)のレコーディングに参加。これは、スリムのバッキングをするためであったが、マディも"Gypsy Woman"、"Little Anna Mae"の2曲をレコーディングした。これが彼のレーベルからのデビュー盤となった。このときの編成はスリムのピアノ、ビッグ・クロフォードのベースのみをバックにつけたもので、まだバンド・スタイルではなかった。
バンド・スタイルでレコーディングするようになったのは、1950年のパークウェイのセッションから。リロイ・フォスターとリトル・ウォルターがヴォーカルを取るセッションではあったが、初めてウォルターがハーモニカをプレイするなど、実質的にマディ・ウォーターズ・バンドの始動とも言える内容であった。パークウェイに負けじと、続いてチェスもマディをバンド・スタイルでレコーディングするようになった。1953年にはオーティス・スパン、1954年にはウィリー・ディクスンがレコーディングに加わるようになり、マディのバンドの形が完成する。同年、"I'm Your Hoochie Coochie Man"、"I Just Want To Make Love To You"など、彼の代表曲となる曲がレコーディングされた。1955年にも"Mannish Boy"などがヒットする。1958年には、初のイギリス・ツアーを体験する。
1983年、イリノイ州ウェストモントにて68歳で死去。シカゴ近郊のオールシップにあるレストヴェール墓地に埋葬された。



以前オーティス・レディングのCDレヴューを書いた時に、アメリカ南部をレンタカーで旅したことを書いた。その時のアメリカ一人旅の目的は、オーティスのみではなくマディやロバート・ジョンソンを始めとした偉大なるブルースメンの足跡を訪ねることが、最大の目的だったのだ。
マディが幼少期を過ごしたクラークスデールにあるデルタ・ブルース・ミュージアムも訪ねた。クラークスデールも、ど田舎だが、デルタ・ブルース・ミュージアムも、とてもミュージアムと呼べるほどの規模のものではなく、実にこじんまりとしたミュージアムだった。
しかし、マディはその中でも最も大きく取り上げられており、等身大の人形が飾られてあった。ミュージアムの近くにロバート・ジョンソンが「悪魔に魂を売ったことで卓越したギター・テクニックを身につけた」というクロスロード伝説で有名な交差点があり、ギターのモニュメントが飾られているのだが、その角にはガソリンスタンドのある何の変哲もない交差点であったこともよく覚えている。
レンタカーでミシシッピーのデルタ地帯を走り、横目に果てしなく広がる綿花畑を見ながら、「マディを始めとした偉大なるブルースメンがここで過酷な労働を強いられていたのか」という感傷に浸っていた。その後、例のレンタカー走行不能事件が起きたのは以前書いた通りである・・・。
南部ミシシッピー・デルタを訪ねる前に、シカゴでシカゴ・ブルースの足跡を訪ねた。
まず、マディがドンとして君臨していたチェス・レコードの跡地を訪ねたのだが、本当に単なる跡地といった感じで、建物の外から覗き見る程度のものだった。
そこからマディのシカゴにおける自宅跡を見に行こうとしたのだが、これがまた大変だった。地図で見ると、そんなに遠くなさそうに思われたので、歩いていこうとしたのだが、いつまでたっても到着できそうにないので、近くにあったある会社に入って道を聞いたのだが、「とても歩いてはいけない」と言われ、バスで行く方法を教えてもらった。しかし、バスも乗り換えて行かなければならず、何人かの人に聞いてバスを乗り換え、本当に大変だった。バスの車内では黒人の物乞いのオッチャンに金をねだられたりもした。
やっとの思いで住居跡近くのバス停に到着し、黒人のオバチャンにマディの家を聞いたのだが、住居跡の近くに住んでいるにも関わらず、なんとマディの住居跡を知らないようで、番地を言うと、やっとのことで「ここだ」と教えてくれた。
やっとの思いで到着できたマディの住居跡は、ごくごく普通の家であった。「これが世界に名高い「ブルースの神」といってもよい存在であったマディの家なのか」というのが正直な印象である。白人のトップ・スターであったエルビス・プレスリーの生家跡はホワイトハウスに次いでアメリカ人が訪ねる観光地だというのに、マディの住居跡はマディのマの字も書かれていない単なる空家である。ただ番地は間違いないので、ここがマディの住居跡であることは間違いない。近所に住んでいる人間さえその存在を知らないとは・・・。あまりに寂しすぎる。改めて、アメリカにおける黒人差別の実態を感じさせられた。
マディの住居跡を苦労して訪ねたことは、一生忘れないだろう。この逆境のなかで暮らし、その思いを歌ったからこそ、マディのブルースは本物なのだ。「誰が何と言おうと、エルビス・プレスリー(別に嫌いじゃないですよ。特に好きではないだけです)なんかより、数段マディのブルースのほうが格上であることは明白である」と言っておきます。
本作は1967年の発売で、1948年から52年にかけてのチェスにおける音源を集めたものである。このあたりの時代背景は、「キャデラック・レコード」という映画を見れば、よく理解できると思います。
「サッド・レター・ブルース」「ユーアー・ゴナ・ニード・マイ・ヘルプ・アイ・セッド」「シッティン・ヒア・アンド・ドリンキン」は、ロバート・ジョンソン風で実に渋いスロー・ブルースだが、マディの泥臭いヴォーカルとともに、ギターとハープの絡みが最高にいかしている。
「ダウン・サウス・ブルース」は、アップテンポなエレクトリック・ブルースである。こういった曲が一番ストーンズを始めとした白人ミュージシャンに影響を与えただろうし、「ブルースがロックの生みの親である由縁」といえるだろう。
やっぱりだめだ。ブルースの素晴らしさ、マディの素晴らしさを言葉で説明するのは至難の業である。正直言って、私はモータウンやソウル・ミュージックにおける黒人音楽の素晴らしさは高校の頃からすぐに理解できたが、黒人ブルースの素晴らしさを理解できるようになったのはかなり後のことなのだ。もちろんストーンズを始めとした白人ロックミュージシャンがマディ等のブルースの影響を強く受けていることは分かっていたが、当時の私には、黒人ブルースを聞いてもその本当の良さは理解できなかったのだ。皆さんの中にも、昔の私と同様の思いを持っている人もけっこういるのではないかと思います。しかし、これだけは言っておきます。ブルースは何かのきっかけでその魅力が理解できるようになると。そして、一度その魅力にとりつかれると、そこから抜け出すことは至難の業であると・・・。








評点:100点





モア・リアル・フォーク・ブルースモア・リアル・フォーク・ブルース
(2014/08/27)
マディ・ウォーターズ

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