ひどい時代に生きてるよ、CURTIS MAYFIELD
2014年09月21日
「There’s No Place Like America Today」CURTIS MAYFIELD
1975年のカーティス・メイフィールドのソロになって通算9枚目のアルバムである。
カーティスは1942年6月3日にシカゴで生まれ、1999年12月26日で亡くなっています。そうです、2000年を迎える直前に亡くなっているのです。まだ57歳だった。さらに死因は不明だというから、実に不可思議である。
1958年のインプレッションズとしてバンド活動を始め、先日紹介した「ピープル・ゲット・レディー」が大ヒットする。
1970年にソロ活動を始め、マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハザウェイ、スティーヴィー・ワンダーらと並んでニュー・ソウルと呼ばれる。
社会派ソウルシンガーとして知られるカーティスだが、その中でも今作品は彼の代表作だろう。まず目に付くのがアルバムジャケットである。裕福そうな白人家庭がドライヴに出かけている看板の前で、黒人たちが食糧配給を求めて並んでいる絵である。
これはアメリカを代表する女流写真家、マーガレット・バーク・ホワイトによる、1937年のケンタッキー州ルイヴィルの洪水の被災者の写真を加工したものである。
アルバムタイトルも「アメリカみたいな場所は他にない」と強烈に社会風刺しているのだ。
音楽的にはカーティスの最高の作品とは思っていないが、そのメッセージ性には目を見張るものがあると感じる。純然たるラヴソングは「ソー・イン・ラヴ」のみである。昔も今も、“ひどい時代”に我々は生きているようですネ。
歌詞対訳の一部を記す。(小林雅明氏対訳)
「ソー・イン・ラヴ」
この愛はぼくら二人よりも大きい
正気を失わせて、君を飲み込んでしまいそう
君を愛する気持をずっと感じていたい
ぼくらの気持に逆らうものはすべてお断り
自然の流れなんだから、テストの類は不必要
ただ君がいて、ぼくがいる
後は何も心配しなくていい
何度でも告白するよ、ぼくは君のもの
とっても愛してる
とっても愛してる
男として最善を尽くすよ
とっても愛してる、ぼくらの成功の鍵、それは互いに最後まで添い遂げること
とっても愛してる、かわいい君、少しじっとしててよ
君はぼくの気持をかき乱すんだから
とっても愛してる
「ジーザス」
ぼくの目の前に広がる世界は、ぼくを奴隷にする気です
イエス様!
そして、たくさんの子供たちが飢えているのが見えます
ぼくはこのまま死んだほうがましです、イエス様!
あまりにとてつもなくおかしな状況です
とても変な感じです
まるでギアをバックに入れたみたいです、不安に包まれています
すぐ近くに落ちてしまいそうです、ぼくらはもうすぐそこまで来ています
足元に注意、足元に注意、足元に注意
不安な時代には勇気が必要だ
君が聞く途絶えることの無いニュースのせいだと
イエスの話をしよう、イエスの話をしよう
新たな誘惑に対する時代にかなった力
愛で結ばれた関係をすてたがるな
「ハード・タイムス」
友だちの家から、ぼくに似ている奴の姿を見る
宗教とか人種とか見かけはなじみのあるものだ、つまり同胞さ
でも驚いたことに、そいつは腐り切っていた
ぼくの仲間を殴った上に、ぼくからカネを巻き上げたがってるんだ
ひどい時代に生きてるよ、いかれたこの町で
ひどい時代に生きてるよ、愛のかけらもない
ひどい時代に生きてるよ、いかれたこの町で
ひどい時代に生きてるよ、愛のかけらもない
評点:90点
1975年のカーティス・メイフィールドのソロになって通算9枚目のアルバムである。
カーティスは1942年6月3日にシカゴで生まれ、1999年12月26日で亡くなっています。そうです、2000年を迎える直前に亡くなっているのです。まだ57歳だった。さらに死因は不明だというから、実に不可思議である。
1958年のインプレッションズとしてバンド活動を始め、先日紹介した「ピープル・ゲット・レディー」が大ヒットする。
1970年にソロ活動を始め、マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハザウェイ、スティーヴィー・ワンダーらと並んでニュー・ソウルと呼ばれる。
社会派ソウルシンガーとして知られるカーティスだが、その中でも今作品は彼の代表作だろう。まず目に付くのがアルバムジャケットである。裕福そうな白人家庭がドライヴに出かけている看板の前で、黒人たちが食糧配給を求めて並んでいる絵である。
これはアメリカを代表する女流写真家、マーガレット・バーク・ホワイトによる、1937年のケンタッキー州ルイヴィルの洪水の被災者の写真を加工したものである。
アルバムタイトルも「アメリカみたいな場所は他にない」と強烈に社会風刺しているのだ。
音楽的にはカーティスの最高の作品とは思っていないが、そのメッセージ性には目を見張るものがあると感じる。純然たるラヴソングは「ソー・イン・ラヴ」のみである。昔も今も、“ひどい時代”に我々は生きているようですネ。
歌詞対訳の一部を記す。(小林雅明氏対訳)
「ソー・イン・ラヴ」
この愛はぼくら二人よりも大きい
正気を失わせて、君を飲み込んでしまいそう
君を愛する気持をずっと感じていたい
ぼくらの気持に逆らうものはすべてお断り
自然の流れなんだから、テストの類は不必要
ただ君がいて、ぼくがいる
後は何も心配しなくていい
何度でも告白するよ、ぼくは君のもの
とっても愛してる
とっても愛してる
男として最善を尽くすよ
とっても愛してる、ぼくらの成功の鍵、それは互いに最後まで添い遂げること
とっても愛してる、かわいい君、少しじっとしててよ
君はぼくの気持をかき乱すんだから
とっても愛してる
「ジーザス」
ぼくの目の前に広がる世界は、ぼくを奴隷にする気です
イエス様!
そして、たくさんの子供たちが飢えているのが見えます
ぼくはこのまま死んだほうがましです、イエス様!
あまりにとてつもなくおかしな状況です
とても変な感じです
まるでギアをバックに入れたみたいです、不安に包まれています
すぐ近くに落ちてしまいそうです、ぼくらはもうすぐそこまで来ています
足元に注意、足元に注意、足元に注意
不安な時代には勇気が必要だ
君が聞く途絶えることの無いニュースのせいだと
イエスの話をしよう、イエスの話をしよう
新たな誘惑に対する時代にかなった力
愛で結ばれた関係をすてたがるな
「ハード・タイムス」
友だちの家から、ぼくに似ている奴の姿を見る
宗教とか人種とか見かけはなじみのあるものだ、つまり同胞さ
でも驚いたことに、そいつは腐り切っていた
ぼくの仲間を殴った上に、ぼくからカネを巻き上げたがってるんだ
ひどい時代に生きてるよ、いかれたこの町で
ひどい時代に生きてるよ、愛のかけらもない
ひどい時代に生きてるよ、いかれたこの町で
ひどい時代に生きてるよ、愛のかけらもない
評点:90点
![]() | ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ+1 (1998/07/08) カーティス・メイフィールド 商品詳細を見る |