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ソウルマン

「私の心の中にはこれからもレヴォンがいるわ。私はどこへ行くにも彼を連れて行くから。まさにその通りで、今も彼の姿が見えるもの。そしていつか、私たちは再び一緒になるでしょうね」byメイヴィス・ステイプルズ

「Carry Me Home」MAVIS STAPLES & LEVON HELM


2022年5月に発売されたメイヴィス・ステイプルズとリヴォン・ヘルムのアルバムです。2011年6月3日、ニューヨーク州ウッドストックのリヴォン・ヘルムのスタジオでレコーディングされました。リヴォン・ヘルムは2012年4月19日に他界しました。
本作はリヴォン・ヘルムのラストアルバムとなりました。
メイヴィス・ステイプルズはこのように語っています。

「あの日がお互いに顔を合わせる最後になるなんて、思ってもなかったわ。彼はあの週、元気いっぱいで、とてもハッピーだったの。私が以前から知っていたレヴォンと変わらず、美しい精神も外見もそのままだった。私たちは何度も何度もハグして、私は彼の手を握っていたのよ。あれが最後になるなんて知る由もなかったけど、私の心の中にはこれからもレヴォンがいるわ。私はどこへ行くにも彼を連れて行くから。まさにその通りで、今も彼の姿が見えるもの。そしていつか、私たちは再び一緒になるでしょうね」

バック演奏はメイヴィス・ステイプルズのバンドとリヴォン・ヘルムのバンドがジョイントしています。基本的にカバー曲で構成されていますが、ライヴ演奏のような盛り上がりがあり、二人の“熱いスピリット”が感じられます。
本作ではステイプル・シンガーズの曲でありストーンズが「The Last Time」の曲の中で歌詞をパクった「This May Be The Last Time」が歌われていますが、これが本当の最後の共演となってしまったわけですから皮肉なものですね。
正直言って私はリヴォン・ヘルムのことはよく分かっていないのですが、ザ・バンドのドラム・ヴォーカルだったこと以外では以前感想を書いた「歌え!ロレッタ愛のために」にロレッタの父親役で出演していたことが記憶にあります。けっこうイケメンでしたね(笑)

ラストの曲にザ・バンドの代表曲である「The Weight」が歌われてますが、泣かせますね。
この曲の冒頭の歌詞は「ナザレスの町にたどり着いたが/俺は半分死にかけていた/ともかくも休める場所が必要だった」だし、タイトルは新約聖書の「ヘブライ人への手紙」12章の言葉に関連するものだと言われていることから、聖書に関する曲だと思われているが、作者であるロビー・ロバートソンは「スペイン出身の映画監督、ルイス・ブニュエルの作品に影響を受けて書かれた楽曲であり、ブニュエルは聖人であることの不可能性を多くの映画で表した。『ビリディアナ』や『ナサリン』に描かれているように、人々はみな良き人であろうと望むが結局は自分のやりたいことしかやらない。『ザ・ウェイト』も同じことさ」と述べている。また「この曲に深い意味なんてない」とも述べている。ヴォーカルのリヴォン・ヘルムは「歌詞の意味を分からないで歌っていた」と告白していているそうだ(笑)

アルバムタイトルはメイヴィスの想いなのかな?
「私をリヴォン・ヘルムのスタジオ(家)に運んで」と言うことですかね?
でもやっぱ、こういう意味かな?
「ここに収録した歌は私が影響を受けた“故郷のような歌”ばかりなの。私を育ててくれたホームタウンに連れて行ってちょうだい」と言う意味じゃないのだろうか?
この解釈が正しければ、これはメイヴィスだけでなくリヴォン・ヘルムとの“共通の想い”であったに違いないだろう。

「The Weight」以外の個別の曲については、明日から来週にかけて「今日の1曲」で取り上げたいと思います。どの曲も名曲です。
レコーディングから発売まで約11年もお蔵入りになっていたのは何らかの理由があったのかもしれませんが、理由がなんにせよ、このような素晴らしい作品を残してくれたメイヴィス・ステイプルズとリヴォン・ヘルムに感謝したいです。

「The Weight」のいろんなヴァージョンをアップします。
ステイプル・シンガーズも歌っていたようですね。

オリジナルであるザ・バンドのヴァージョンです。リヴォン・ヘルムが歌っています。


ザ・バンドとステイプル・シンガーズのジョイントです。
リヴォン・ヘルムとメイヴィスとポップス・ステイプルズとロビー・ロバートソンが歌っています。


2012年のアメリカンアワードです。
ボニー・レイット、エミルー・ハリス、ジョン・ハイアット、サム・ブッシュ、ブリタニー・ハワード等がリヴォン・ヘルムを追悼しています。


メイヴィス、ニック・ロウ、ウィルコのヴァージョンです。


ブルース・スプリングスティーンのヴァージョンです。


アリサ・フランクリンのヴァージョンです。


忌野清志郎と藤井裕と石田長生とCHARと有山じゅんじのヴァージョンです。


メイヴィス・ステイプルズとリヴォン・ヘルムのヴァージョンです。



評点:100点



MAVIS STAPLES



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ソウルマン
Posted byソウルマン

Comments 2

There are no comments yet.

mint

No title

ソウルマンさん

最高の記事でした˘⌣˘♡


『The Weight 』
私もずっと歌詞の意味を知らないままでしたが、こんなに素敵な内容だったとは!
泣けますね。。。


ここしばらく、体調を崩しておりましたが
何とか回復しつつあります^^


お酒が楽しめるくらいになったら、またゆっくりメッセします(笑)

ソウルマンさんも、お体にはくれぐれもお気をつけて下さいね♪

2022/12/16 (Fri) 18:30
ソウルマン

ソウルマン

Re: No title

mintさん

>
> 最高の記事でした˘⌣˘♡
>
>
> 『The Weight 』
> 私もずっと歌詞の意味を知らないままでしたが、こんなに素敵な内容だったとは!
> 泣けますね。。。
>

ありがとうございます。
この曲、初めに聴いたのは相当昔ですが、私も歌詞の意味を全然理解していませんでした。
名曲たる理由が分かったような気がします。

>
> ここしばらく、体調を崩しておりましたが
> 何とか回復しつつあります^^
>
>
> お酒が楽しめるくらいになったら、またゆっくりメッセします(笑)
>
> ソウルマンさんも、お体にはくれぐれもお気をつけて下さいね♪


そうだったんですね。でも回復しつつあるとのことで、安心しました。
お酒が飲めるようになったらいですね。でも無理しない程度にしてください。
メッセもゆっくりしてからください(笑)
お気遣いいただき、ありがとうございます。
一気に冬めいて来ましたし、相も変わらず変な世の中ですが、mintさんもお身体大事にしてください(^^♪

2022/12/17 (Sat) 12:31