「「本当に大変な思いをしてきたのは、我々ネイティブアメリカンや黒人だ。自分たちだけが悲劇の主人公になるんじゃないよ。甘ったれるもいい加減にしろ!」と、彼らは思っていたことでしょう。」byソウルマン - 映画
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「「本当に大変な思いをしてきたのは、我々ネイティブアメリカンや黒人だ。自分たちだけが悲劇の主人公になるんじゃないよ。甘ったれるもいい加減にしろ!」と、彼らは思っていたことでしょう。」byソウルマン

「映画『怒りの葡萄(The Grapes of Wrath)』を観て」




映画『怒りの葡萄』をDVDで観たので、感想を書いておきます。
ご存知スタインベックの小説をもとにした、1940年の映画である。
小説の発表が1939年なので、早くも翌年に映画化されたということである。
タイトルこそ聞いていたが、本作を観たのは、今回が初めてである。
原作のスタインベックの小説も、読んだことはない。

感想は、ワンパターンですが、めっちゃ良かった(笑)

当時(1930年代半ば)のアメリカ南部オクラホマ州の貧しい白人労働者の悲惨な実態が、ものの見事に描かれていた。
これが真実か否かは分からないが、ある程度は真実をもとにしているのだろう。
ある日突然自分たちが住む土地から地主に立ち退きを求められた住人は、おんぼろ車に大人数を乗せて、“夢の土地・カリフォルニア”に向かうのである。
しかし、その夢は偽りの夢(=詐欺)であることを、後に知ることになるのである。
全編を通して、一つのテーマのもとにストーリーは展開していく。

それは、資本家に搾取される労働者である。

貧しい白人労働者が生活していた土地から立ち退きを迫り、強制的に家を破壊した勢力の黒幕は、実名こそ出てこないが、ロックフェラー家であり、メロン銀行であるだろう。
こういった財閥に限らず、超低賃金で労働者を働かせようとしている、悪徳資本家及びその支配下にある偽警察官(=暴力団)の姿も、本作は描き出している。

原作のスタインベックの小説は、当時相当の反響を呼んだそうである。
まさに賛否両論であったようだ。
同じような苛酷な体験をしたことのある労働者から見たら、「スタインベック、よくぞ悪徳資本家の悪事を書いてくれた」であろうし、反共主義の資本家から見たら、「スタインベックはアカの回し者だ」となるだろう。
事実、オクラホマ州では多くの図書館で『怒りの葡萄』が禁書扱いとなり、州出身の国会議員により「オクラホマの小作人は他の土地の小作人に勝るとも劣らぬ立派な頭脳と心情を持っている。この本はねじくれて歪んだ精神が生んだ黒い悪魔の書だ」といった弾劾演説が行われたそうである。
しかし、社会学者や聖職者、行政府の役人といった様々な階層の人間が作品内の出来事を事実として証言している。
このような逆境にも負けずにこのような小説を書いたスタインベックや、この小説を素晴らしい映画作品として世に出した映画監督のジョン・フォードに、「あっぱれ!」を差し上げたい。


“普通の視聴者”ならこれで終わるところだが、“普通の視聴者”でない私(自覚症状があるだけマシか(笑))はこれでは終わらない。
この小説及びこの映画には、どうも裏があるようだ。
それは、私がいつも繰り返し言っていることである。

はい、「右も左も根は同じ」である。

だって、そうでしょう。
ロックフェラーはバリバリの資本家であると同時に、バリバリの共産主義者でしょ。
大衆に「右と左は対立している」と思わせて、実際は、単にシナリオ通りにことを進めていただけですよ。
貧しい白人労働者が実在していたのは事実でしょうが、ハリウッド映画が描くのは、せいぜいこれぐらいである。
「貧しい白人労働者は大変な思いをしていたんです」で、お終いである。
白人に虐げられ、差別され続けられていた、ネイティブアメリカンや黒人の悲惨な日常生活は、決して題材にされることはない。
当時のネイティブアメリカンや黒人から見たら、貧しい白人労働者の生活なんか、天国のようなものでしょう。

「本当に大変な思いをしてきたのは、我々ネイティブアメリカンや黒人だ。自分たちだけが悲劇の主人公になるんじゃないよ。甘ったれるもいい加減にしろ!」と、彼らは思っていたことでしょう。

そもそもアメリカという国は、ヨーロッパ諸国からいきなり侵略して来た白人が、ネイティブアメリカンから土地を奪い、ネイティブアメリカンを僻地に追いやり、虐殺し、アフリカ大陸から黒人を奴隷として強奪し、無理やり働かせることで成立した「真っ黒な歴史を持つ国家」なのである。
そこを描かずに一部の貧しい白人労働者の生活実態のみを描いても、一部のアメリカ白人の主観に過ぎず、ネイティブアメリカンや黒人の超悲惨な生活ぶりはスルーしているのである。くさいものには蓋をしたままなのである。

今では昔よりはハリウッド映画もこういったことを少しは描くようになったが、それでも「真っ黒な歴史を持つ国家」の一億分の一も描いていないだろう。

ちなみにスタインベックは、フリーメーソンであった
スタインベックが『怒りの葡萄』を書いたのも、小説が映画化されたのも、すべてシナリオであったのでしょう。


おもいっきり叩いてしまったようだが、『怒りの葡萄』が優れた名作であることは間違いない。もう遅いか(爆)
CGに頼ったど派手な演出だけの現代の映画とは違い、実に味わい深い作品である。
俳優の言葉の一つ一つが輝いており、息遣いがリアルに感じ取れる。
映画を通して流れる「レッド・リヴァー・バレー」が印象的であった。
「いい映画にはいい音楽がある」ことは、いつの時代も変わらぬ法則である。






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