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ソウルマン

悪魔なんかいないんだぜ 飲んでる時にだけ神がいるのさ、TOM WAITS

「Heartattack And Vine」TOM WAITS



1980年のトム・ウェイツのアルバムである。
タイトル曲は「心臓麻痺とぶどうの樹」という意味だが、店の名前なのだろうか?
「ダウン・タウン」はヤク中とアル中が織り成す下町を歌っている。「ジャージー・ガール」はブルース・スプリングスティーンもカヴァーしているが、トムにしては珍しい比較的素直なラブソングである。「ティル・ザ・マニー・ランズ・アウト」は血を売って酒やヤクを買うという男の歌である。そして、最大の秀作が「オン・ザ・ニッケル」である。
冒頭部分の歌詞対訳を記す。



「オン・ザ・ニッケル」
“棒や石が俺の骨を砕いても
俺は真実の姿でいるだろう“
お前のママが死んだら
この子守歌を歌ってやるぜ
子供達はどうなるんだ
髪をとかすこともなく
家の周りに列をなす
5セント銅貨に踊らされて

バケツを持っていけ
これには穴があいているから
俺の手紙が届かなければ
きっと俺は監獄さ
子供達はどうなるんだ
祈ることもなく
赤ん坊のように眠っている
5セント銅貨の上でさ



酒や麻薬がひしめく場末の退廃したダウンタウンの安酒場を舞台にした「男と女」や「神と悪魔」が繰り広げる現実的であり非現実的でもある日常を歌にする、このトム・ウェイツという男は神なのか、悪魔なのか、それとも単なるアル中ヤク中男なのか・・・。どちらにしても、トムのような“超個性派シンガー”は他に存在しないことは間違いない。
タイトル曲でトムはこう言っている。
「悪魔なんかいないんだぜ 飲んでる時にだけ神がいるのさ」










評点:90点





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Posted byソウルマン

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