ペリー来航とジョン万次郎の帰国とグラバー来日は、「同じ目的」を持っていたのである - 広瀬隆
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ペリー来航とジョン万次郎の帰国とグラバー来日は、「同じ目的」を持っていたのである

「持丸長者・日本を動かした怪物たち(幕末・維新篇)」広瀬隆


2007年の書である。発売当時に読んだものを再読した。
以下、一部引用する。



*うち、薩摩藩主の島津斉彬は、すでに土佐藩に先んじて、日本帰国上陸後の万次郎を薩摩藩が取り調べた折、この帰国者が日本最高の至宝であることをただちに見抜いて、薩摩に滞留させながら、家臣に万次郎から新技術を吸収するように命じていた。そこから得た知識を活用し、斉彬が全土に先がけて切り拓いた画期的な技術は、わが国で嚆矢(こうし)となる紡績工場の建設をはじめとして、鹿児島集成館の宝庫に山ほど偉業の足跡が残されている。
伊予宇和島藩主の伊達宗城は、ヨーロッパの知識を高く評価して、国外に追放された異人シーボルトが日本滞在中に日本人女性の楠本滝に産ませた娘イネを保護し、幕府に追われて逃亡中の蘭学者・高野長英を匿い、斉彬と競うように藩内に次々と新技術を生み出し、日本人の独力で蒸気船を製造させる。

*このようにゴールドラッシュ、捕鯨、奴隷貿易、綿花という四大産業にかかわる一族から出たペリー提督は、日本に出立する前に、すでに十年間も中国に滞在してもうひとつの大悪事「アヘン貿易」に携わってきた大商人ウォーレン・デラノ船長に会って、日本の港を開かせるにはどうすればよいかと事情を尋ねた。この麻薬商人デラノ船長の孫が、第二次世界大戦時の大統領フランクリ・デラノ・ルーズヴェルトである。
のち、ペリー提督の孫娘フレデリカが、そのデラノ船長の娘と義理の姉妹関係となるが、両家を結びつけた一族が、メイフラワー号でアメリカに上陸した名門ハラウンド家であった。天命のめぐり合わせほど、不思議なものはない。それが、漂流していた万次郎を救った捕鯨船ジョン・ハウランド号のオーナー一家だったのである。まったく同じ時期、ニューベッドフォ-ドで成人した万次郎が日本に帰国すると、その十一カ月後に、同じニューベッドフォ-ドの利権グループに属するペリー提督が、日本への派遣使節として任命されたことになる。そのような人物が日本に向かおうとしていたのだから、奇遇と言えば、これほどの奇遇もない。

*薩摩藩のイギリス攻撃は、薩摩藩主の父で、実質的な実権者だった島津久光の行列が武蔵国生麦村(横浜市)に差しかかった時、横浜在住のイギリス人四人が行列前方を乗馬のまま横切った。これを無礼と怒った薩摩藩士・奈良原喜左衛門が斬りかかり、イギリス人一人が死ぬという生麦事件がその前にあった。島津久光は名君・斉彬の弟であり、喜左衛門の弟・奈良原繁は明治時代に日本鉄道会社社長となり、その息子・奈良原三次は奈良原式飛行機を発明して日本航空界の草分けとして名を成した

*もうひとつ驚くことがある。勝海舟といえば、西郷隆盛と談判して江戸を無血開城に導いた偉人として名を残した。
・・・・・(中略)・・・・・
無能だったはずの勝海舟がなぜにこの最重要局面で幕府代表をつとめたのか。
それは、鳥羽・伏見の戦いから七日後、1月10日に朝廷側が、鳥羽・伏見の戦いに関係した幕府関係者の大名・旗本32人を「朝譴者(ちょうけんしゃ)」つまり朝廷の咎めを受けるべき人物として処罰するリストを発表したが、勝海舟がこの名簿を手に入れて、幕府内で優秀だった人間を粛正することに成功し、この権力闘争に勝ち抜いて頂点に立ったからである。


ここに勝海舟の行為を記述しなければならないのは、この男が幕府の誠実な有力者を大量に犯罪者に仕立て上げたからである。明治元年4月8日、長崎海軍伝習所指導者の永井尚志、蒸気機関の最高技術者である榎本武揚らを処分したばかりか、伝習所で図抜けた成績をあげ、勝海舟など足元にも及ばず、咸臨丸航海長をつとめた男、自分にとって邪魔者の小野友五郎という天才を無実の罪で伝馬町に投獄したのである。伝習所以来の自分の過去を知っている者を次々と粛正したわけである。榎本武揚が函館戦争に走った心情がそこにあった。

*廃藩置県は、それ以前から藩主たちが言い出していたとされるが、その建言・主張をおこなった代表者四人は鳥取藩知事・池田慶徳、徳島藩知事・蜂須賀茂韶(もちあき)、尾張藩知事・徳川慶勝、熊本藩知事・細川護久で、いずれも最後の将軍・徳川慶喜の近親者であった。彼らは、中央集権国家にしたあと、大蔵省に日本の金を全部集めて、それを一族で寄ってたかって食い物にしようという陰謀を企んだのか。徳川慶喜の息子・忠太郎は勝伊代子と結婚して入婿となり、勝精(くわし)と名乗って明治32年に三百代言・勝海舟の伯爵家を相続した。さらに勝精と伊代子の娘が、長州財閥の藤田伝三郎の孫と結婚しているのである。




(管理人)
皆さん、分かりますよね。
私がここに引用した本書の箇所の共通点が。

はい、「八百長明治維新の証明」です。

著者は、丹念に歴史資料を調べ、その結果として日本の持丸長者の実体を詳細に記したわけであるが、私の関心事はそれよりも「明治維新の真実」を追及することにあるのです。
本書には、私の関心事を満たすに十分なヒントが散りばめてありました。
本書を読んで改めて感じたことは、「八百長明治維新」にかなりの部分でジョン万次郎が関わっていたという事実である。
ジョン万次郎は、島津斉彬と関係を持っていた。
斉彬お抱えの武士であった西郷隆盛が明治維新の中心人物となったルーツは、斉彬とジョン万次郎の繋がりにあったことは間違いないだろう。
坂本龍馬がジョン万次郎の影響を受けていたことは、以前書いている
ペリー家とデラノ家を結びつけたのがハラウンド家だとのことだが、漂流していた万次郎を救った捕鯨船ジョン・ハウランド号のオーナー一家だったのが、ハラウンド家だったのだ。
著者はハウランド家と繋がりのあるペリーの来航のことを「奇遇と言えば、これほどの奇遇もない」と記しているが、これは奇遇なんてものではない。
ジョン万次郎の漂流は真実だろうが、ジョン万次郎をアメリカに連れて帰って育て上げ教育したのは、ホイットフィールド船長の単なる親切心ではないことは間違いないだろう。

ある目的故のことであったのだ。

それはハウランド家の意思であり、ペリー家の意思であり、デラノ家の意思であったのだろう。つまり、「彼ら」の意思であったのだ。

ペリー来航とジョン万次郎の帰国は、「同じ目的」を持っていたのである。

デラノ家が「アヘン貿易」に携わっていたのは有名な話である。
ところで「アヘン貿易」と聞けば、誰かを思い出しませんか?
はい、グラバーです。グラバーはジャーディン・マセソン商会の長崎代理店として「グラバー商会」を設立しました。ジャーディン・マセソン商会が「アヘン貿易」に携わっていたのは、ウィキにも記載されている有名な話です

ペリー来航とジョン万次郎の帰国とグラバー来日は、「同じ目的」を持っていたのである。

ウィキを見たついでに記しておきます。
グラバーは、井上聞多、遠藤謹助、山尾庸三、野村弥吉、伊藤博文の長州五傑のイギリス留学の世話をしています。

長州ファイブは、「アヘン貿易」に携わっていたジャーディン・マセソン商会によってイギリス留学したのです。
グラバーは、長州五傑、五代友厚(薩摩)、坂本龍馬(海援隊)、岩崎弥太郎(三菱財閥)等を支援しました。

長州ファイブ、五代友厚(薩摩)、坂本龍馬(海援隊)、岩崎弥太郎(三菱財閥)は、「アヘン貿易」に携わっていたジャーディン・マセソン商会によって支援されていたのです。

さらに記しておきます。
吉田茂の養父・吉田健三は、ジャーディン・マセソン商会横浜支店長でした。

吉田茂は、「アヘン貿易」に携わっていたジャーディン・マセソン商会によって支援されていたのです。

吉田茂の孫は誰でしたでしょうか?

はい、アホウです。
アホウが「日本の水道を民営化します」というトンデモ発言したルーツはここにあります。

水道民営化という謀略は、「アヘン貿易」に携わっていたジャーディン・マセソン商会によってなされようとしているのです。

ジャーディン・マセソン商会がロスチャイルド系列であることは、言うまでもありません。

かなり話が飛躍しましたが、本書の引用文に戻ります、
下関戦争が八百長であることは以前記事にしましたが、生麦事件もその可能性が高そうです。
イギリス人に斬りかかったという奈良原喜左衛門を調べると、死刑になっていないのです。
弟の奈良原繁をウィキで見ると、イギリス人を斬りつけたのは、兄の喜左衛門ではなく、弟の繁であると子孫から異議が申したてられているとのことである。
その奈良原繁は、明治になって日本鉄道会社の社長になったそうである。
何故に奈良原繁はそれほど出世できたのだろうか?
裏がないと思うこと自体、どうかしているだろう。
巨額な賠償金は、薩摩藩ではなく幕府が支払わされている。

次に、勝海舟である。
勝海舟が「彼ら」の手先であることはフルベッキ写真に写っていることで証明されているが、突然出てきたこの男が何故に幕府の代表になれたのかがこれまで分からなかった。
なるほど、幕府の誠実な有力者を大量に犯罪者に仕立て上げたからであるようだ。
勝海舟を抜擢したのが徳川慶喜であることは、間違いない。
勝海舟に幕府の誠実な有力者を大量に犯罪者に仕立て上げさせたのは、慶喜であるだろう。
二人とも、幕府のみならず日本そのものを「彼ら」に売り渡した売国奴である。
明治になって慶喜と勝海舟の子孫が親族関係になっているのには、呆れてものが言えない。

最後に、本書を読んで感じたことを記しておきます
これだけ詳細に家系図を調べ上げ、江戸時代から明治にかけての持丸長者を洗い出した著者の姿勢は立派であると思うが、許しがたき記述が一つだけある。
それは、「フルベッキ写真が偽写真である」と切り捨てた記述である。
それも何の根拠も示さずに。
著者は、「フルベッキ写真が偽写真である」と断言するならば、何故にそうであるかを示すべきである。
「偽写真であることの根拠を示すのと同時に、誰が何の意図をもって偽写真を撮影したか」を記すべきである。
坂本龍馬や勝海舟も加わった幕末の有名人物が一堂に会したこの写真が本物でないことを、根拠を上げて示すべきである。
本物でないというのなら、写真に写っているのは何者であるのかを、根拠を上げて示すべきである。
それもしないで一方的に偽写真だと論じることは、暴論である。
ジャーナリストであるならば、絶対にやってはならないことである。
そもそも広瀬さん、幕末の持丸長者をこれだけ調べ上げているわりに明治維新の中心人物と外国人勢力の関わりを指摘せずにいるのは不自然だと思われませんか?
私は、「広瀬隆は名著「赤い楯」を書いた本物のジャーナリストだ」と信じているからこそ、明治維新の中心人物と外国人勢力の関わりをスルーし続ける広瀬氏の姿勢に疑問を抱かずにはおられません。



評点:70点






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