“いい意味でのアメリカの広大な大地の匂い”を感じさせてくれるミュージシャン LUCINDA WILLIAMS
「Car Wheels On A Gravel Road」LUCINDA WILLIAMS
1999年のルシンダ・ウィリアムスのアルバムである。
「ライト・イン・タイム」は、肩の力を抜いたラヴソングである。ブルージーでありながら、カントリーの要素も含んだ、“アメリカを感じさせる”曲である。
「ドランクン・エンジェル」は、「酔っ払いの天使 あなたは一線を越えてしまったわ」「あなたを食べさせてあげて 借金も返した」「なぜ、ギターを手放したの?なぜそこまでやったの?」と歌う。実体験に基づく歌だろうか? 間奏のスティーヴ・アールのハーモニカがいい味を出している。
「アイ・ロスト・イット」は、「お金では買い変えられない どんな記憶も消せない これと比べられるくらいの物を見つけられないって私はわかっている」と歌う。失ったものの重要性を切々と訴える名曲である。
「メタル・ファイアー・クラッカー」は、広大なアメリカの大地をバイクで駆け巡る情景が思い起こされる、軽快なアメリカン・ロックだ。
「グリーンヴィル」は、別れた(?)男に対して「もう二度とあなたに会いたくないし手もにぎりたくない だって、あなたは私のことを本当に愛していないし あなたは私の男にはなれないから そう、あなたは私の男じゃない」と歌う。そして、「あなたを助けてくれる誰かを探してグリーンヴィルに戻りなさいよ」と締めくくる。素行の悪い男に対して愛想をつかしていながらも、未練を持ち続けている複雑な女心が感じられる名曲である。
「フォー・ユア・キス」は、別れた男のことを忘れられない女性の心境が、淡々とではあるが迫って来るかのように歌われている。歌詞が実に素晴らしい。この曲だけでも、このアルバムを購入する価値があると感じられる。
1曲を除いて、全作ルシンダの自作である。歌詞・メロディーともにどの曲も秀逸であり、彼女の「飾らぬ心の内」を感じさせられる。アメリカの音楽雑誌ローリングストーンが、このアルバム を歴代名盤500枚のひとつに選んでいるとのことだ。ルシンンダの代表作であり、歴史的名盤であることは間違いないだろう。ルシンダの父親であるミラー・ウィリアムスは、詩人であり、評論家であり、英文学の教授でもあったそうだ。彼女の作詞の才能は、間違いなく父親の影響を受けているのだろう。ルシンダはルイジアナ州出身だが、子供の頃、父親の影響でアメリカ各地を回ったそうだ。本作を聴いていると、アメリカの広大な大地が思い起こされる。こういった“いい意味でのアメリカの広大な大地の匂い”を感じさせてくれるミュージシャンは、あくまでも黒人ミュージシャンを除いての話だが、男性ではブルース・スプリングスティーン、女性ではルシンダ・ウィリアムスが筆頭ではないだろうか。
評点:100点
1999年のルシンダ・ウィリアムスのアルバムである。
「ライト・イン・タイム」は、肩の力を抜いたラヴソングである。ブルージーでありながら、カントリーの要素も含んだ、“アメリカを感じさせる”曲である。
「ドランクン・エンジェル」は、「酔っ払いの天使 あなたは一線を越えてしまったわ」「あなたを食べさせてあげて 借金も返した」「なぜ、ギターを手放したの?なぜそこまでやったの?」と歌う。実体験に基づく歌だろうか? 間奏のスティーヴ・アールのハーモニカがいい味を出している。
「アイ・ロスト・イット」は、「お金では買い変えられない どんな記憶も消せない これと比べられるくらいの物を見つけられないって私はわかっている」と歌う。失ったものの重要性を切々と訴える名曲である。
「メタル・ファイアー・クラッカー」は、広大なアメリカの大地をバイクで駆け巡る情景が思い起こされる、軽快なアメリカン・ロックだ。
「グリーンヴィル」は、別れた(?)男に対して「もう二度とあなたに会いたくないし手もにぎりたくない だって、あなたは私のことを本当に愛していないし あなたは私の男にはなれないから そう、あなたは私の男じゃない」と歌う。そして、「あなたを助けてくれる誰かを探してグリーンヴィルに戻りなさいよ」と締めくくる。素行の悪い男に対して愛想をつかしていながらも、未練を持ち続けている複雑な女心が感じられる名曲である。
「フォー・ユア・キス」は、別れた男のことを忘れられない女性の心境が、淡々とではあるが迫って来るかのように歌われている。歌詞が実に素晴らしい。この曲だけでも、このアルバムを購入する価値があると感じられる。
1曲を除いて、全作ルシンダの自作である。歌詞・メロディーともにどの曲も秀逸であり、彼女の「飾らぬ心の内」を感じさせられる。アメリカの音楽雑誌ローリングストーンが、このアルバム を歴代名盤500枚のひとつに選んでいるとのことだ。ルシンンダの代表作であり、歴史的名盤であることは間違いないだろう。ルシンダの父親であるミラー・ウィリアムスは、詩人であり、評論家であり、英文学の教授でもあったそうだ。彼女の作詞の才能は、間違いなく父親の影響を受けているのだろう。ルシンダはルイジアナ州出身だが、子供の頃、父親の影響でアメリカ各地を回ったそうだ。本作を聴いていると、アメリカの広大な大地が思い起こされる。こういった“いい意味でのアメリカの広大な大地の匂い”を感じさせてくれるミュージシャンは、あくまでも黒人ミュージシャンを除いての話だが、男性ではブルース・スプリングスティーン、女性ではルシンダ・ウィリアムスが筆頭ではないだろうか。
評点:100点