Category聖書・魔法・魔術 1/8
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「魔法~その歴史と正体~」⑨(最終回)K・セリグマン、(訳)平田 寛前回に続く。以下、一部引用する。*第三巻でアグリッパは、すべての魔術を行なうさいには、宗教が必要であることを主張している。「宗教は、もっとも神秘的なものであり、人が口にしてはならないものである。というのは、トリスメゲストスもいっているように、宗教を大衆に打ち明けることは、宗教に対する侮辱だからである」と、彼は述べている。宗教は魔術の...
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2023年08月22日 0
「魔法~その歴史と正体~」⑧K・セリグマン、(訳)平田 寛前回に続く。以下、一部引用する。*錬金術がほんとうに開花したのは、4世紀だった。それは、キリスト教が異教にたいして、無慈悲な闘いを挑んでいた最中である。この時期の筆者であるパノポリスのゾシモスは、みずから錬金術の弁護士をもって任じた。彼の寓意や注釈は、秘薬に関するもっとも深遠で尊ぶべき文書として、中世の専門家たちによって引用されている。ゾシモ...
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「魔法~その歴史と正体~」⑦K・セリグマン、(訳)平田 寛前回に続く。以下、一部引用する。*東西間の膨張する交通の実験室になっていたアレクサンドリアでは、ユダヤ人の哲学者フィロン(前20年生まれ)が『旧約聖書』をギリシア語に翻訳し、古いユダヤ教の教義とギリシア哲学とのあいだの関係を示そうと企てた。フィロンは、ギリシア哲学はユダヤ教よりもすぐれていると公言した。しかし彼は、哲学における偉大な思想の多く...
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2023年08月17日 0
「魔法~その歴史と正体~」⑥K・セリグマン、(訳)平田 寛前回に続く。以下、一部引用する。*紀元後77年に大プリニウスは、博物学に関する自著をティトゥス帝に献上した。プリニウスは、魔術が過去と現在にわたる多くの民族につよい影響をおよぼしたことを認めながらも、魔術師というものは詐欺師かおろか者で、その教義は、人類にたいして彼らがいだいている軽蔑から生まれたものだ、魔術は空虚であり無意味である、そしてヒ...
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2023年08月13日 0
「魔法~その歴史と正体~」⑤K・セリグマン、(訳)平田 寛前回に続く。以下、一部引用する。*無数の、広範囲にわたるグノーシス派―あまりに多すぎてここでは挙げきれないーのうちで、共通した信仰がいくつかあった。これらの派はすべて、創造は最高神の仕事ではなくデミウルゴス(世界形成者)の仕事だという点で一致していた。デミウルゴスは最高神の下にあって、シモンのいわゆる「未知の父なる神」または「無限の力」であっ...